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Home 政治 アメリカ大統領選2016

トランプ大統領とBrexitを選んだのは誰?‐サイレントマジョリティーの反逆

栗田路子 / KURITA, Michiko by 栗田路子 / KURITA, Michiko
9年 ago
in アメリカ大統領選2016, 政治
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「鼻もちならないエリートに、よく言ってくれた、すかっとするぜ!」
「乱暴な言葉遣いがわかりやすい!」
「Make America Great Again! (偉大なアメリカをもう一度)」

まさか、よもや、と巷の良識派がおたおたしている間に、品性も教養のかけらもない、政治素人の億万長者トランプ氏が、第45代アメリカ大統領に選ばれてしまった。世界中のメディアも、平均的だと思っていた東海岸や西海岸のアメリカ人も、途方に暮れてしまった。いったいトランプ氏を選んだのは誰なのか。

浮かび上がるトランプ支持層

CNNが伝えるExit Polls の結果をつなぎ合わせると、こんな姿が浮かび上がってくる。

中高年の白人男性。学歴は高校卒業かそれ以下。それほど貧しいわけでもない。保守的なキリスト教徒で、毎日曜日には教会に行く。同性結婚や妊娠中絶には反対。国際的な安全保障とか地球規模の気候変動なんてどうでもいい。とにかく目障りな移民を排除して、良き時代の「偉大なアメリカ」を取り戻したい。

彼らは普通の日本人がアメリカ旅行に出かけて出逢う人々や、東京や欧州で出逢うアメリカ人とは異質だ。「こんなアメリカ人が本当にいるの?」と思うかもしれない。でも、アメリカ中部や南部には、外国どころか、国内の遠方にも行ったことがなく、増え続ける有色人種を快く思わず、戦後、世界がうらやんだ「アメリカの栄華をもう一度」と思っている「中または中の下」(middle/lower middle class)の白人社会がある。

野球帽やカウボーイハットのトランプ氏の支持者たち © Gage Skidmore
野球帽やカウボーイハットのトランプ氏の支持者たち © Gage Skidmore

筆者は、70年代終わりに南部ジョージア州北部の田舎に住んでいたので、こんなアメリカ人像が今も瞼に映る。進歩的なはずのアメリカには、今でもダーウィンの進化論をマジで否定する人々が驚くほどいるのだ。今回トランプを支持したであろう人々の生活風景はざっとこんな感じだ。

あまり手入れの行き届かない田舎の一軒家に住み、工場で働いていたが、リーマンショック以来、工場は外国に移転してしまい、仕事も収入もぱっとしない。安い缶ビールと徳用大袋のチップスを抱えて、テレビの前で野球でも見ながら、We’re Number 1と叫べば気がまぎれる。異宗教の有色人種移民を見ると無性にいらいらする。アレッポがどこにあるのかなんて知らないし、地球温暖化なんてでっちあげに決まってる。

トランプ氏は、これまで政治なんて関係ないと思ってきたサイレントマジョリティーに対し、彼らの心にギンギン響く魔術のような仲間言葉で、彼らの不安や怒りを駆り立て、扇動してしまった。トランプ支持(=差別・保護主義容認)者は、自分が大勢側にいるとわかってしまったので、職場でも、学校でも、親戚の集まりでも、堂々と、より大きな声で、今まで言いたくても言えなかった本音をぶちまけ、行動し始めている。自分の回りとアメリカさえ良ければ、後はどうでもよい、刹那的なエゴ発言が顰蹙を買うこともない。有色人種、イスラム教徒、LGBTなどの少数派は、びくびくしながら固唾をのんでいる。トランプ氏の経済政策では、潤うのは国内の大企業と富裕層だけと気が付くのはいつだろう。

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BrexitにYesと投票した人々

よもやの悪夢が現実となった感覚は、6月の英国のEU離脱をかけた国民投票に酷似している。大勝利したUKIP(英国独立党)の顔、ナイジェル・ファラージュ氏の形相や品行は、トランプ氏にそっくり。大げさでセンセーショナル、わかりやすい言葉で恐怖を煽るキャンペーンで、うっぷんの溜まる中高年の労働者層に熱狂的とすら言える支持を得た。

A new “Special Relationship” between Britain and the US has emerged: the one between Donald Trump and Nigel Farage https://t.co/mtRyGEK8Hn pic.twitter.com/GFHyjgNAm3

— CNN International (@cnni) 2016年11月9日

形相や品行がトランプそっくりなBrexitを先導したN.ファラージュ氏は蜜月の関係

UKIPのプロパガンダは、経済よりも「移民排斥」と「植民地時代の大英帝国の復活」。かつて英領だったインドやパキスタンからの移民労働者層がこれを支持した。旧移民が、新EU加盟国(ポーランド、ラトヴィアなど)からやってきて、きつい仕事でも低賃金で引き受ける新移民を嫌ったのだ。ちょっと見では、アメリカとは異なるように見える。だが、白人アメリカ人は、先住民からアメリカ大陸に渡った欧州からの移民なのだから、旧移民が新移民を忌み嫌ったという図式は同じことだ。EUの加盟国であることによる経済的・社会的メリットは、労働者層にはわかりにくく、実感できない。一方、英語の通じないEU市民に、目の前で単純労働を奪われるのは、不快で脅威と感じられやすい。「移民排斥」「強い英国の復活」が労働者層に支持された結果は、アメリカ大統領選とそっくりだ。

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安部自民を支持する人々

悲しいかな我が国の安部首相も、日本会議をバックボーンとする現政府も、「美しい国へ」と説き、明治以前の古き良き秩序への回帰を目論む。韓国人や中国人、沖縄県民へのヘイトクライムを否めようともしない。内向きになり、右傾化する傾向は、英国やアメリカの方向に重なる。

英国のEU離脱も、世界の先行き不安を長引かせる要因として憂慮されたが、トランプ氏勝利によるダブル・パンチは、世界中の良識派を暗澹たる気分に陥らせている。ただ、少なくとも、この2つが、「エリート社会に対するサイレントマジョリティーの反逆」であったことだけは、日本社会はきちんと理解しておくべきじゃないか。英国でも、アメリカでも、世襲制のような政治家一族のサラブレッドや、ぴかぴかのエリート校を出たインテリ官僚に、ぱっとしない庶民が立ち上がり、はっきりとNOを突き付けたのだ。

子供の6人に一人が貧困という現実を目の前にしても、過労死や自殺者が多発するブラック社会であっても、原発事故による賠償や廃炉の費用を電気代に上乗せされても、暴動も反乱も起こさずに、おとなしく受け入れてしまう日本のサイレントマジョリティー。トランプ氏やファラージュ氏の挑発には賛同できかねるが、庶民を蔑ろにする世襲政治家や官僚のやりたい放題に対する、庶民のすさまじい怒りだけは、日本にも伝播してほしい。

トップ画像:© Gage Skidmore

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Tags: Brexitアメリカ合衆国アメリカ大統領選イギリス
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栗田路子 / KURITA, Michiko

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ライター・ジャーナリスト。 EU(欧州連合)の首都ブリュッセルを擁するベルギー在住20年余り。上智大学卒業。米国およびベルギーの経営大学院にてMBA取得。EUおよびベルギーの政治・社会事情(教育、環境、福祉など)を生活者の目線で発信中。著書に「コロナ対策 各国リーダーの通信簿」(共著・2021年1月・光文社新書)がある。 筆者ブログ/コーディネータースクラブ・ベルギー運営

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