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Home 社会・文化

8000キロ以上離れたドイツで考える『フクシマ 7年』  

田口理穂 / TAGUCHI, Riho by 田口理穂 / TAGUCHI, Riho
5年 ago
in 社会・文化
8000キロ以上離れたドイツで考える『フクシマ 7年』  
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fukushima7y_01

震災と福島原発の事故から7年。北ドイツのニーダーザクセン州にあるブラウンシュバイク市の学校と教会で、福島の現状について話をする機会を得た。日本から遠く離れたドイツでは、さまざまな都市で催しが開かれ、メディアで取り上げられている。 福島の惨劇を忘れず、今後の教訓にしようという取り組みだ。

私が訪れたブラウンシュバイクのギムナジウム(小5から高校3年生までの一貫の公立校)では、 宗教の授業を利用し、中学3年生約100人が集まった。まず福島市出身で原発事故後に京都に移住した高校1年生の阿部ゆりかさんのビデオメッセージを上映した。

阿部さんは母親と京都に避難しており、父親は仕事のため福島市に残っている。阿部さんは「原発事故当初の福島県民は、放射線に対する考え方の違いなどから分断が起き、その問題は今も続いている」とし「原発問題は7年経った今も複雑化しているのに、 忘れられようとしている。自主避難者への住宅補助打ち切りや、避難者の帰還推進政策は経済優先であり、福島の教訓から何も学んでいない」と語った。続いて、これまで支援される立場だったが、今は京都で福島からの子どもたちの保養受け入れに協力していると話した。

その後私が、政府が原発の再稼働や海外への輸出を推進しており、かつ避難者を福島に帰そうとしていることを補足した。福島県などが発行している特産品や移住をすすめるパンフレットを生徒たちに見せると、驚きの声があがった。

教会で阿部ゆりかさんのビデオメッセージを上映
教会で阿部ゆりかさんのビデオメッセージを上映

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生徒たちから「福島に人が住んで大丈夫なのか。悲しい状況だと思う」「日本の状況は残念、今後どうなるのか」「ゆりかさんが支援活動をしたり、自分の活動を語っているのはえらい」という意見が出たほか「そんな政府の国には住みたくない」という声も。大学生も来ており「当時自分は13歳だったから、事故が起こった時のことをよく覚えている。先生が90分の授業をつぶして福島や原発について話し、大変なことだと思った」と述べた。また阿部さんの「原発は安全という教育がされ、原発問題に関心のない人も多い」という言葉を受けて、「どうしたら多くの人が関心を持つようになるのか」「自分ならどうしただろうか」と生徒たちが考える場面もあった。

その後、教会で礼拝が行われ、中学1年生の生徒約50人と一般の人20人が参加した。教会で生徒たちが「福島からもう7年たち、何を学んだか」などメッセージを発表した。ニーダーザクセン州の牧師は「技術にはリスクがある、犠牲者をつくることがある。技術には良い面と悪い面があり、責任を取ること、そして忘れないことが大事」と話し、子どもたちに考えることを促した。そして再び阿部さんのビデオを上映した。最後に「福島について聞いたことがあるか」「他国の人々の生活状況について興味はあるか」について生徒たちは色紙を丸めて投票し、心を寄せていることを表した。同じ世代の阿部さんからのビデオメッセージは、ドイツの生徒たちに福島を身近に感じさせるとともに、考えさせるきっかけになったようだ。4月半ばまでにブラウンシュバイク近辺約10校で上映する予定である。

礼拝に参加した生徒たち。「原子力? おことわり」の自作ポスターを掲げる子どもも。

ドイツでは、キリスト教が独自の考えを打ち出すことは一般的で、しばしばその地域の住民たちの意見を代弁している。宗教とは人々の生活に根付いているもので、地元の人々の心配事について積極的にかかわろうという姿勢である。ここニーダーザクセン州は核廃棄物処分場を3つ抱えるため、州プロテスタント宗派は反原発の姿勢を明確に打ち出している。中でもブラウンシュバイクは、アッセ核廃棄物最終処分場まで20キロほどしか離れていない。神が大地を作ったのなら、その大地を守っていくのは宗教の努めであり、大地を汚す原発はよくないものという考えである。どのような未来をつくっていくべきか、大局的に考えている。

この3月11日は福島原発事故から7年、4月26日のチェルノブイリ原発事故から32年になる。すでに2代目、また3世代目となっているにもかかわらず、チェルノブイリ付近で甲状腺ガンや白血病を発病したり、体調不良を訴える子どもはあとを絶たない。大人でも10年後、20年後に発病している人がいる。チェルノブイリ原発が位置するウクライナ政府は、事故は収束したとばかりに自国民への支援削減を打ち出している。一方、ドイツや欧州の市民団体や教会は、支援はまだまだ必要と活動を継続している。ドイツ人はチェルノブイリ周辺に住む人々の現在の様子を知っているからこそ、福島の人たちの未来を心配している。除染すれば大丈夫なのか、健康への長期的な影響はないのか。ドイツ人はただお人好しで支援しているのではない。将来にこの教訓を生かさなければならならい、忘れてはならないという思いを、活動を通して自らに言い聞かせているのである。ドイツ各地で、3~4月さまざまな反原発関連の催しが開かれている。

トップ画像:福島のよさや安全であることを訴えるパンフレットと生徒たち

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Tags: Fukushima反原発
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田口理穂 / TAGUCHI, Riho

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ジャーナリスト、裁判所認定ドイツ語通訳・翻訳士。日本で新聞記者を経て、1996年よりドイツ・ハノーファー在住。ライプニッツ・ハノーファー大学卒業、社会学修士。ドイツの環境政策や経済、社会情勢など幅広く執筆。視察やテレビ番組のコーディネートも。著書に「市民がつくった電力会社 ドイツ・シェーナウの草の根エネルギー革命」(大月書店)「なぜドイツではエネルギーシフトが進むのか」(学芸出版社)、共著に「『お手本の国』のウソ」「ニッポンの評判」(ともに新潮新書)、「コロナ対策 各国リーダーの通信簿」(共著・2021年1月・光文社新書)がある。

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