2011年3月、私は、福島第一原発事故をきっかけに、ドイツへの移住を決めた。その頃ドイツは、脱原発に舵を切ることを決めていたからだった。ところが、移住後、住まいから15km離れた場所に、放射性廃棄物が埋められていることを初めて知った。 その上、埋めた場所に地下水が流れ込む恐れがあるとのことで、一旦埋めた廃棄物を、取り出す作業を計画しているところだと、現地の方から聞いた。 安全を求めて移住したこのドイツの地で、出会うことになった核のゴミの問題。 原発の平常運転で出る核のゴミ以外に、廃炉や事故後に出てくる膨大な量の放射線レベルの高いゴミの問題にも、まだ誰も解決方法を見つけてはいない。
放射性廃棄物が既に埋められてしまったドイツの村と、 これから埋められようとしている日本の町で、 それぞれの住民の方々に話を聞いた。
「Endlager (最終処分場)」Wasabi Chilli Films from tkunimoto on Vimeo.
<追記>
取材されたニーダーザクセン州アッセの施設は、岩塩鉱山の跡地を、放射線・ 環境協会(GSF)が、放射性廃棄物の最終処分に関する調査・研究を行うために 60年代に取得。70年代に、低中レベル廃棄物の試験的処分が行われた。2009 年、管轄が連邦放射線防護庁(BfS)に移り、すでに投棄された放射線廃棄物を 回収して閉鎖することをオプションとして選択。2013年には「放射性廃棄物の 回収と閉鎖を加速するための法律」が施行された。2016年12月の報道では、連 邦環境大臣が「廃棄物の回収は、早くても2033年に開始」と発表している。
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