2020年3月ーー津波のように迫ってくる新型コロナ感染に、欧米はロックダウンという切り札を切った。当然、コロナへの不安と、行動制限への不満はハンパじゃない。SpeakUP Overseasでは、海外に住む私たちの身の回りで起きていることを記録しようと、「世界コロナ日誌」の連載をはじめた。初夏にはつかの間の一息。「コロナ体験を本にまとめよう」という話が持ち上がったものの、「本が出る頃にはコロナが収束して、古い話になっちゃうんじゃない?」、「日本は感染者少ないし、世界の状況に興味あるのかなあ」なんて言いつつ、欧州と米国、ニュージーランドに住む7人が、それぞれの国のリーダーの言動について、見た、聞いた、体験したことを書き綴った。
今年1月末、いよいよ『コロナ対策 各国リーダーたちの通信簿 』(光文社新書・https://is.gd/IBgfxZ)が世に出た時、残念ながら世界中はコロナ禍真っただ中にいた。リーダーたちに通信簿をつけるコロナ禍の終焉はまだ見えない。私の住む米国では、全く違うタイプのリーダーに交代したが、死者はとうとう50万人を超えた。ワクチン接種も始まったが、暗中模索状態は続く。私たちにできることは、国境を越えて経験と知識を共有し、今日よりも良い明日を生きようとすることなのだとつくづく思う。
目次
プロローグ
第1章 コロナ感染ではがれた「政界の道化師」の仮(イギリス)
第2章 戦争司令官が初めて見せた寄り添う姿(フランス)
第3章 コロナ禍で光る賢母の貫禄(ドイツ)
第4章 丁寧な説明を尽くした等身大の臨時首相(ベルギー)
第5章 専門家ファーストで黒衣に徹した政府トップ(スウェーデン)
第6章 アンチサイエンスが招いたパンデミック(アメリカ)
第7章 収束への原動力はSNSによる国民との対話(ニュージーランド)
エピローグ
著者一覧
- 栗田路子(くりたみちこ/ベルギー在住30年。人権、医療、環境などをテーマに発信)
- プラド夏樹(ぷらどなつき/フランス・パリ在住フリージャーナリスト)
- 田口理穂(たぐちりほ/ドイツ在住ジャーナリスト、ドイツ法廷通訳・翻訳士)
- 冨久岡ナヲ(ふくおかなを/イギリスと日本を筆でつなぐロンドン在住ジャーナリスト)
- 片瀬ケイ(かたせけい/アメリカ・テキサス州在住ジャーナリスト、翻訳者)
- クローディアー真理(くろーでぃあーまり/ニュージーランド在住22年のジャーナリスト)
- 田中ティナ(たなかてぃな/スウェーデン・エステルスンド在住18年のフリーライター)