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Home 社会・文化

私もついにデモに参加。極右の暴走を止めたい一心で

田中聖香 / TANAKA, Mika by 田中聖香 / TANAKA, Mika
1年 ago
in 社会・文化
私もついにデモに参加。極右の暴走を止めたい一心で

私もついにデモに参加。極右の暴走を止めたい一心で

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逆移住(Remigration)という言葉を聞いたことがあるだろうか―――ドイツの極右が企んでいた外国人国外追放計画の名称だ。日本国籍を持つ私や、ドイツ国籍だが日独両方の血を受けた息子は追い出されるのだろうか。危機感に駆られ、ドイツ人と一緒にスクラムを組んだ。とにかく民主主義のささやかな一部であるためにデモに足を運んだ、これは筆者の体験記だ。

変わっていた時代の空気

2月2日金曜日の午後。隣町で開かれたデモに参加した。このデモの目的は、これまでドイツで繰り返し主張されてきたような原発反対でも、環境保護でも、ウクライナ戦争反対でもない。外国人排斥と極右政党AfD(「ドイツのための選択肢」)に反対する立場を表明し、民主主義をあらためて肯定するためのデモだ。

実は、デモに行ったのは初めてだった。

私はドイツに30年住んでいる。移住してきた1990年代の始め、アジア人への差別的な視線を少しも感じないことがうれしく、「これこそ生きた民主主義」と感動していた。その後まもなく、ネオナチによる放火でドイツの移民労働者としては典型的なトルコ人の一家が死亡する事件が発生しても、2015年の欧州難民危機で100万人とも言われる移民がドイツに押し寄せた際にネオナチが難民施設を襲っても、それは自分にとっては「ごく限られた数の極右の仕業」だったので、安心感は揺らがなかった。

でも、そのあとドイツ社会はますます右傾化していった。2017年にはAfDの党員が連邦議会入りし、昨年の世論調査ではその支持率が20%を超えて第2位になった。そして、昨年秋に極右関係者が前述の逆移住計画を協議する極秘会合を開いており、その場にAfDの幹部も参加していた事実が今年始めにメデイアで暴露されたとき、この国での外国人排斥思想を初めて「自分ごと」ととらえるようになったのだ。

個人的にも昨年夏、自転車ですれ違いざま、金髪の少女に「外国人出て行け」と言われたことがあった。歌うような明るい声色だったので、かえって心に刺さった。それも、さまざまな人種が行き交う街中ではなく、我が家の近くでのことだ。時代の空気が30年前と一変していたことは、もうとっくに明らかだったのだ。だから、極右反対のデモの波が大都市から郡部へと広がり、ついに田舎に住む自分の近くまでやってきたとき、臆病な私もやっとデモに参加する腹を決めた。

「ナチス反対のおばあちゃん」の団体も

曇り空の午後4時。スタート地点である教会前の広場いっぱいに、参加者が集まっている。友達と連れ立って来たらしい中高年の女性たち、1人で参加しているおじいちゃん、親に伴われた子供たち、そして若者たち。世代には偏りがない。掃除用モップの柄を利用してプラカードを自作してきた人も多い。こういうとき、ドイツ人はとてもクリエイティブだ。「民主主義を守れ」「AfDは愚か者の選択肢」「茶色(ナチスを象徴)よりカラフル(多様性)がいい」など、思い思いのスローガンが手書きされている。

「子供なら誰でも多様性を学ぶことができる。学べないのはナチスだけ」と書かれたプラカード

教会前から500メートルほど離れた銀行前広場までの短い距離を、見知らぬ人たちと一緒に、道幅いっぱいに広がって歩く。誰かが「自分を守れ、抵抗しよう」というプロテストソングを歌い出し、声がいつかコーラスになって広がっていく。到着地の広場にはステージが仮設してあり、参加者が結集すると、有志が次々と壇上に上がってスピーチした。この市の若い女性市長、障がい者のグループ、ギムナジウム(ドイツの中高相当)の生徒たちや子ども、そして移民二世たち。「ナチスに反対するおばあちゃん団体」も登場。彼女たちは70年代のベトナム戦争反対デモにも参加したというから、筋金入りだ。

ドイツ人は金曜日、早めに仕事を終えて週末に入る人が多い。だから金曜の午後という時間帯でも、デモに来ることができる人がたくさんいる。きっと、デモのあとにお茶をしたり、飲みに行ったりするグループもあるに違いない。それでもいいと思う。週末のプログラムに、デモがごく自然に挿入されていることに意味があるはずだ。

全国で累計100万人以上がデモに参加

ドイツでは前述のスクープ記事が出た1月中旬から、全国で同じ趣旨のデモが週末ごとに繰り返されている。共通するスローガンは「『2度と繰り返さない』とは『今』のこと」(“Nie wieder ist jetzt“)。これはドイツが戦後一貫して標榜している「ナチズムの歴史を2度と繰り返さない」の国是をあらためて取り上げ、この戒めを実践するのは今をおいて他にない、という意味だ。

1月20〜22日の週末には全国で累計90万人が、2月初めの週末には100件以上のデモに累計20万人が参加している。2月最大のデモはベルリンの約15万人、そのほか自治体の大きさに応じて、フライブルク3万人、マインツ1万人などの数字が発表されている。AfDの牙城である東独ではデモの規模が小さく、前述の極秘会合が開かれたポツダム市では参加者2700人。私がデモに参加したフィアゼン市(人口8万人、デュッセルドルフ近郊)の参加者数は1600人と報道された。これを多いと見るのか少ないと見るのか、私には判断できない。でも、1600人の人たちが、外国人である私のために時間と場所を共有してくれたことに、そして私を30年支えてくれたドイツの民主主義を力強く肯定したことに、胸がいっぱいになった。偶然現地で出会った友達のひとりが、「私はあなたを外国人だと感じたことは一度もなかったわ」と言ってくれた。

緑の党はステージ横で終始バナーを掲げていた。「民主主義支持を表明しよう。憎しみと過激主義に反対」

選挙イヤーを前に民主主義に「YES」

ドイツでは2024年、東独で3つの州議会選挙が行われる。2025年には連邦議会選挙も控えている。世論調査機関Forsaの2月6日の世論調査によると、AfDの支持率は18%まで下降し、全国デモと世論の盛り上がりが彼らの勢いを鈍らせているように見える。それでも、支持率は与党である社会民主党の15%をしのいで、2位を維持したままだ。

「本当に問題なのは、このデモに来なかった人たちだ」と、壇上に上ったスピーカーの一人が言っていた。彼らこそが、AfDの潜在的支持者であり、選挙での浮動票を構成している層である。彼らにどう働きかけていくのか。デモを一過性のものに終わらせないために、実効のある措置は何か。選挙権を持たない外国籍の私ができることは限られているけど、日常の中で、民主主義原則を忘れず、機会があれば臆せず発言する者でありたいと思う。Civil Courage、一市民としての勇気。日本語では的確な訳が見つからない概念だが、これこそ民主主義にまず求められる要件ではないだろうか。

Tags: AfDデモドイツドイツのための選択肢極右欧州民主主義
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田中聖香 / TANAKA, Mika

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在独ジャーナリスト。愛知県生まれ。関西学院大学文学部卒、ロンドン・スクール・オブ・ジャーナリズム修了。1992年からドイツ在住。ドイツ社会をテーマに執筆、インタビュー記事を得意とする。共著に『世界で広がる脱原発』。「国際ジャーナリスト連盟 」会員。

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