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Home 政治

トランプのアメリカに漂うファシズムの不吉な予感と抵抗の足音

片瀬ケイ / KATASE, Kei by 片瀬ケイ / KATASE, Kei
6年 ago
in 政治
トランプのアメリカに漂うファシズムの不吉な予感と抵抗の足音
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縮小するアメリカ

オバマ大統領は退任前のインタビューで、「ポストが人を作るとも言うが、大統領ポストはむしろ、良きにつけ悪しきにつけその人の特徴を拡大してみせる」と話した。2017年1月20日、第45代アメリカ合衆国大統領への就任宣誓をした瞬間から、確かにドナルド・トランプ氏の特徴もより顕著になったと感じる。
トランプ新大統領の就任演説を聞いた時、私はトランプ氏がいまだに選挙演説を行っているかのような錯覚を覚えた。演説は今のアメリカを貧困、犯罪、麻薬が蔓延する社会として描いた。アメリカ中間層家庭から剥ぎ取られた富は世界中に再配分され、他国はアメリカの企業を盗み、我々の職を破壊する。アメリカ市民はそうした政策で腹肥やした政治権力者、他国、移民によってアメリカン・ドリームを叶える機会を奪われたと訴えた。
「アメリカの忘れ去られてきた人々が、もはや忘れ去られることはない。あなた方の声は皆に届いている」と述べ、「アメリカ・ファースト(アメリカ第一主義)」を前面に押し出して、「アメリカ製の物を買い、アメリカ人を雇う」ことを呼びかけた。
私の知っているアメリカは、良くも悪くも超大国として世界をリードし、アメリカなりによりよい社会を築くために貢献したいという理想を掲げた国だったはずだ。その国の大統領が、今やアメリカの一側面だけに焦点をあてて、自国か他国か、勝者か敗者かといったレトリックを大統領就任演説で展開しているのだ。アメリカも小さくなったものだ、と思う。

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誰が嘘ニュースを流しているのか

就任式翌日のニュースに、私は耳を疑った。米中央情報局(CIA)本部を訪問したトランプ大統領は、就任式に集まった観衆規模について、メディアが意図的に少なく報道したと非難したのだ。さらにトランプ氏が就任前に、CIAを「ナチス・ドイツか?」とツィートで批判してCIAとの関係がギクシャクしたのは、メディアの作り出した誤解が原因で、「実際とは正反対だ」と説明した。
同日行われたホワイトハウスでの初めての記者会見では、ショーン・スパイサー大統領報道官が、大統領就任式の観衆規模は「文句なく過去最大」と断言。ニューヨークタイムズをはじめとするメディアが、オバマ大統領の初就任式時との写真比較で、トランプ就任式の観衆規模が小さいと報道したことについて、「初めて使用した芝生保護の白いシートのせいで、観衆人数が少なく見えるだけ」と言い、「就任式の熱狂を過小に見せようとするのは恥ずべき行為であり、間違いだ」と強く非難した。
さらにスパイサー報道官は、マイク・ポンペオCIA長官指名について上院がまだ承認していないことを「民主党が意図的に遅らせている。嘘ニュースを書くのではなく、この問題こそ、皆さんが報道すべきことだ」と一喝したのだ。そして「メディアが大統領に責任を問うたように、今後はホワイトハウスもメディアの責任を追及していく」と告げ、質問の機会を設けることもなく、記者会見場を立ち去ってしまった。

この記者会見は当初予定されておらず、どうやら就任式に関する報道に我慢がならないトランプ大統領が、メディアに文句を言うために、急遽、報道官に会見を開かせたらしい。トランプ氏を知る人は、自らに対する批判には病的なほど敏感だと口々に言うが、本当だったようだ。

I will be asking for a major investigation into VOTER FRAUD, including those registered to vote in two states, those who are illegal and….

— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2017年1月25日

根拠なく「二重投票登録者や不法移民による不正選挙」に対する調査を要請するツィート

ヒラリー氏の全米得票数の方が多かったという事実も受け入れ難いようで、トランプ氏は就任前から証拠もなく「何百万という不正投票がなければ、得票数でも自分が勝っていた」とツィートし、物議を醸していた。大統領就任後まもなく再びその議論を持ち出し、「不正投票」の大掛かりな調査を要請した。自分の面子にそれほどこだわり、根拠もなく自らの一存で税金を無駄に費やそうとする人物が大統領だとは、やはりアメリカは小さくなったのだろう。

ファシズムの不吉な予感

Jack from Leesport Pa, USA
Jack from Leesport Pa, USA

こんなアメリカには困惑と同時に、恐怖さえ感じる。CIAをナチス・ドイツかと揶揄するツィートをしたのは、まぎれもなくトランプ氏自身である。大統領就任式の観衆規模が、オバマ大統領初回就任式より少なかったのも、明らかな事実である。「初めて使用した」と報道官が言った白い芝生の保護シートは、以前から使われていて、初めての使用というのも事実ではない。コンウェイ大統領顧問は、報道官の発言について「alternative facts(別の事実)」を言ったまでと弁護したが、明白な「事実」に対して、オルタナティブな事実などというものは聞いたことがない。

Intelligence agencies should never have allowed this fake news to "leak" into the public. One last shot at me.Are we living in Nazi Germany?

— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2017年1月11日

CIAについてナチス・ドイツかと揶揄するツィート

Compare the crowds: 2009 inauguration at left, 2017 inauguration at right.#Inauguration pic.twitter.com/y7RhIR2nfC

— Binyamin Appelbaum (@BCAppelbaum) 2017年1月20日

ニューヨークタイムズ記者のツィートトランプ就任式 vs オバマ就任式

トランプ大統領に都合の悪いことは、「メディアの作り上げた嘘」と一方的に断定する政権。明らかに事実と違うことを「真実だ」と、何度でも言い張る政権。事実を事実として、トランプ氏を納得させられる人がいない政権。さらには、メディアに対して何を報道すべきかを言い渡し、政府が「メディアの責任を追及する」という。これではまるで、独裁政権のようではないか。そして2017年のアメリカで、それが実際に起きているのだ。

トランプ氏の熱狂的支持者の多くは、フェイク(でっちあげ)ニュースでも、事実確認をせずに妄信し、拡散する傾向がある。明らかに嘘で、事実に反するという証拠があったとしても、メディアやリベラルの陰謀だと主張する。何であれ、トランプ政権が繰り返し主張することを妄信する人々が増えていったらどうなるのか。
昨年、ジョージタウン大学のジョン・マクニール歴史学教授は、トランプ氏とファシストとの比較をワシントン・ポスト紙に寄稿した。
 
これまでのアメリカの政治家と比べれば、カルト的なリーダー、過去への回帰主義、男らしさへのこだわり、自己の過大評価、エリート否定による自己定義、劇場型の演出など、ムッソリーニやヒトラーと共通する傾向がみられるが、どちらかといえばアマチュアの真似レベルで、セミ・ファシストと言ったところか、と同教授は書いている。
この記事を読んだ昨年10月の時点では、アメリカとファシズムを結びつけるイメージがほとんどなかったが、正直言って、今はファシズムの不気味な予感が頭からぬぐえずにいる。

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世界中で響きわたる抵抗の足音

しかし大統領就任式の翌日には、勇気づけられるニュースも目にした。女性の権利と反トランプを訴える「ウーマンズ・マーチ」抗議である。首都ワシントンには、想定を上回る100万人以上が結集した。さらに、全米370の各都市、そして世界中の多くの都市でシスター・マーチと呼ばれる連帯行進が行われ、数百万人が参加した。どこも主催者の予想をはるかに上回る参加者数だった。

2017年1月21日、首都ワシントンのウーマンズ・マーチに押し寄せる人々 Ted Eytan from Wahington DC, USA
2017年1月21日、首都ワシントンのウーマンズ・マーチに押し寄せる人々
Ted Eytan from Wahington DC, USA

ワシントンDCの集会会場では、フェミニスト運動のアイコンであるグロリア・スタイネム氏をはじめ、スカーレット・ヨハンソン、マドンナ、マイケル・ムーアなどのセレブ、エリザベス・ウォーレン上院議員などが次々と登壇し、人権、健康と中絶の権利を含む女性の権利、LGBTQIAの権利、セクハラや暴力からの解放、環境保護、多様性の尊重、宗教、信条の自由、イスラム教徒や黒人、移民などすべての人々との連帯などを訴えた。

ワシントンDCでのウーマン・マーチの舞台でスピーチするマドンナ

ウーマンズ・マーチは、今後100日間で自分達の要求を地元議員に積極的に発信するなど、声を上げる運動を続けていくという。今回のマーチには、これまで政治活動にまったく関わったことのない人々が数多く参加し、またたくまに全世界で熱狂的な行進に発展した。
今回の大統領選挙で、トランプ氏はこれまで政治に参加しなかった「忘れさられた人々」を結集して、誰もが予想しなかった大統領の椅子を勝ち取った。トランプ大統領はウーマンズ・マーチについて、いつものようにツィートで「抗議活動を見た。選挙をしたばかりだと思ったが、どうやら投票しなかったのか?セレブが出てくる運動はダメだね」とつぶやいた。

Watched protests yesterday but was under the impression that we just had an election! Why didn't these people vote? Celebs hurt cause badly.

— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2017年1月22日

しかし私は「お互いを尊重し、崇高な理想を掲げてみんなで歩いていこう」という足音が、全米から、いや全世界から長く、大きく響き続けると信じる。トランプ大統領は、こうした危機感を持った市井の人々のパワーを見くびらない方がいい。自分も、米国のラストベルト(錆び付いた工業地帯)で危機感を持った人々の力で、大統領の座にのし上がったのだから。

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Tags: アメリカ合衆国トランプ
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片瀬ケイ / KATASE, Kei

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フリーランス・ライター、翻訳者。東京生まれ。神奈川大学スペイン語学科卒。東京都の行政専門紙の記者を8年勤めた後、1995年に渡米しカンザス大学でジャーナリズム修士号取得。カンザスシティ・パブリックTVを経て、在米の米系、日系企業に勤務。現在は米国人のミュージシャン兼業主夫とともに、テキサス州ダラス市に在住。米国の社会、経済事情等について様々なメディアに幅広く執筆。Yahoo!JAPANニュースのオーサーでもある。2021年1月に「コロナ対策 各国リーダーの通信簿」(共著・光文社新書)を出版。

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