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Home 環境・SDGs エネルギー問題

脱原発でつながる 国を越えた市民の絆「90kmの人間の鎖」

潤ふじを / JUN, Fujio by 潤ふじを / JUN, Fujio
6年 ago
in エネルギー問題
脱原発でつながる 国を越えた市民の絆「90kmの人間の鎖」
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6月25日、ベルギー南東部にある老朽原発2基の即時停止を訴えて、ベルギー・オランダ・ドイツにまたがる90kmに、三か国から5万人以上の市民が参加して「人間の鎖」抗議行動が行われた。起こらないはずの事故が起こってしまえば、放射能は国境を越え、川に流れ、海を渡り、広大な範囲に及んでしまう。うすうす気づいていたその危険は、チェルノブイリやフクシマで実証されてしまった。それでも、原発は今も世界中で稼働している。脱原発を決め、再生エネに大きく舵を切ったドイツ・オランダの市民が、ベルギー市民と連帯し、ベルギー政府に決断を迫っている。

国が隣り合わせの欧州では

第二次大戦後、日本ばかりでなく、欧州各地にも、続々と原子力発電所は建てられきたが、その多くは、当事国の主要都市からなるべく離れた国境近くに、また、複数国を流れる主要河川の沿いに建設されたので、一度事故が起これば、その風向きや川の流れによって、隣接する多くの国に被害を与えてしまうことは明らかだ。

ベルギーは、北から時計回りに、オランダ、ドイツ、ルクセンブルク、フランスに囲まれた、四国ほどの小さな国だ。ほぼ中央に位置する首都ブリュッセルを軸に、半径200km程で円を描けば、国の大半はその中に入ってしまう。ベルギーの2つの原子力発電所ドゥール(Doel)とティアンジュ(Tihange)は、9.11以降、はっきりと脱原発を英断したオランダ、ドイツとの国境近くに建っている。これらの国民からみれば、「冗談じゃない。せっかく英断したというのに、隣国の老朽原発の事故で被ばくさせられるのはまっぴらご免だ」と抗議したくなるのはよくわかる。

問題のティアンジュ原発 © Michiko KURITA
問題のティアンジュ原発
© Michiko KURITA

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一旦は脱原発宣言したものの

実は、ベルギーも、隣国に背中を押されるようにして、2003年には、2015年から2025年までにかけて段階的に脱原発することを決めている。ただ、代替電源が確保できないことから、2012年に、2015年に運転を終了するはずだった稼働40年の老朽原発を10年延長して使うと決めてしまった。ところが、9.11以降に改めて義務化された圧力容器全体の徹底的な精密検査の結果、いくつかの圧力容器で、その鋼鉄の壁の内部に、肉眼では見えない微細なひびが無数に入っていることが発見され、問題となった。

国の原子力規制当局である、連邦原子力規制局(FANC/AFCN)は、電力会社に対し徹底的な再調査を指示。一国で1億2000万もの人口を抱える日本とは異なり、人口1000万で言語環境が複雑なベルギーでは、独立した第三者委員会は、原子力技術に精通し経験豊かな人材を世界中から集めなければ不可能だ。同じ圧力容器が世界中に20基以上も稼働していることから、オランダ、ドイツを始め、様々な国の専門家が集結して分析・議論が積み重ねられた。

ベルギー連邦原子力規制局のスタッフ ©FANC/AFCN
ベルギー連邦原子力規制局のスタッフ ©FANC/AFCN

ベルギー政府としては、それでも、なんとか後数年の時間稼ぎを正当化しようとした。ティアンジュの老朽原発は、その後、運転再開、再度停止を繰り返している。
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国を超える市民の抗議

オランダやドイツでは、隣接する自治体や中央政府が、このティアンジュ原発の停止を求めて抗議したり、ベルギー政府を提訴したりしている。国境際を歩けば、「Stop Tihange!」のステッカーやポスターが店や民家のあちこちに見える。ある原子力関係者が訳知り顔でこんな説明をしてくれた。「あれは、ドイツやオランダが、自国で作りすぎてしまっている高価な再生エネ電力を売りつけたいという、政治的な理由からなんだ」と。すると、「それがたとえ本当であっても、高くても安全な電力を喜んで買おうじゃないか。今日の小銭と明日の命なら、命を選ぶ。あと数年のおんぼろ原発を動かして、危険を犯すよりはずっといい。」と人間の鎖に参加したベルギー人のクリスチャンさんは相手にもしなかった。

Stop Tihangeのポスターやステッカー ©Michiko KURITA
Stop Tihangeのポスターやステッカー ©Michiko KURITA

アーヘン市のツイートでアップされた人の鎖の様子は実感が伝わる。

Vom Markt über die Jakobstraße und darüber hinaus 🙌… #stoptihange #stopdoel #aachen #maastricht #lüttich #tihange pic.twitter.com/EX0SdZLqht

— Stadt Aachen (@PresseamtAachen) 2017年6月25日

 

欧州を俯瞰すると、デンマーク、オランダ、ドイツ、オーストリア、スイスと北から南に並ぶ分水嶺が、原発に対する考え方の分岐点となって立ちはだかっている。こうした国々は、脱原発を決断し、再生エネに大きく舵を切った。そして、隣国ベルギーにも、麻薬のような原発の誘惑を断ち切って、新しいエネルギーの未来を一緒に切り開いていこうよと誘いかけている。放射能が国境で止まらないように、欧州市民の連帯の力も国境を超え始めた。

台湾は脱原発を宣言した。韓国は老朽原発の停止を決めた。戦後70年の呪いから風向きを変える分水嶺はアジアにもできるだろうか。国境を越えた市民の絆は、放射能に勝てるだろうか。

トップ写真:ティアンジュから32㎞地点、ドイツ人とベルギー人がつながる

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Tags: ベルギー反原発
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潤ふじを / JUN, Fujio

欧米での在住年月が人生の半分以上に。コンサルタント業、マネージメント業などを行う傍ら、複数のライター・ジャーナリストグループのまとめ役を務め、自らも発信し続ける。Speak Up Oversea’s発起人。

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