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ドイツ:人生で一番長い休暇 世界コロナ日誌

田口理穂 / TAGUCHI, Riho by 田口理穂 / TAGUCHI, Riho
3年 ago
in 世界コロナ日誌, 社会・文化
ドイツ:人生で一番長い休暇 世界コロナ日誌
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太陽がさんさんと照っている。外は少し肌寒いが、 木々は芽吹き、シラーの青い花が可憐に咲き、春うららである。近所の公園に行くと、緑の中をゆっくりと散歩している人が、まばらにいる。 遊具のあるスペースはテープが張られ、遊べないようになっているが、周辺の草の上でボール遊びやフリスビーはできる。あまりにも静かで穏やかな日々だ。

<トップ写真:花が咲き乱れる初春の公園では、ボール遊びやフリスビーだけが許される ©Riho Taguchi>

感染者は多いが死者は少ないドイツ

3月16日から全国で学校や幼稚園、学童保育が閉まり、17日からは映画館や劇場、博物館、デパートなどが閉鎖。18日からはカフェやレストラン、食料品を扱わない一般小売店(デパートや個人商店)、またホテルやキャンプ場が営業禁止となった。さらに23日からは美容院やマッサージサロンなど体に触れる業務を行う店舗が閉鎖となった。仕事はできる限り在宅勤務とし、不要不急の外出は控えること、また他人と会うのは家族以外では一人までと通達が出されている。公園には立ち入り禁止のテープが張られているが、ジョギングなど個人でのスポーツや、新鮮な空気を吸うための外出は許されている。森を散歩するのが好きなドイツ人にぴったりの対応策だと感じる。

no entry park sign lite

遊具のある公園は立ち入り禁止に©Riho Taguchi

スーパーでは1.5メートルの間隔を開けることとされ、一部は入場制限をしているところもあるが、比較的通常通りの営業である。各地で路面電車やバスの利用者は減っているが、検札が来ないため普段は乗らないような人が無賃乗車しているとも聞く。パン屋に行くと、座ってコーヒーを飲むコーナーはテープで閉鎖されているが、パンや飲み物を買って持ち帰ることはできる。

在宅勤務や時短勤務が推奨され、警察官や幼稚園教諭の友人はホームオフィス、車の整備工の知り合いは仕事自体が減り、「短縮勤務」となった。「短縮勤務」とはなるべく解雇を避けて、社会的にも被雇用者本人にもインパクトを軽減しようとする制度で、労働時間を減らし、その分の給与の一部は国から補填を受ける。

 きちんと状況を説明し、連帯を呼びかける

メルケル首相は3月18日、テレビ演説で 「民主主義」と「連帯」を強調した。感染を防ぎ、特にお年寄りや持病のある人を危険にさらさないために一人一人ができることがあると呼びかけた。医療関係者にはもちろん、スーパーで働いている人たちにもお礼を言った。今、大変なときにスーパーが通常通り運営できる ようにしてくれてありがとう、と。ただ一方的に命令するのではなく、説明しようという姿勢。それがドイツ的であり、メルケル首相が長い間国民から信頼を得ている理由なのだろうと思った。

3月26日の時点で、ドイツでの感染者は約4万1052人、死亡者は230人 である。死亡率は0.7%でヨーロッパで最も低く、10.1%のイタリア、7.3%のスペイン、4.4%のイギリス、1.5%のアメリカと比べると顕著である。ドイツでは現在週1万6000人を検査できる体制が整っており、早期発見により重症化する前に対応している。車に乗ったままで検査することもでき、2日後に結果が出る。ベルリン市は23日、イタリアの重篤患者を受け入れると発表した。

またスポーツ活動が禁止され、スポーツサークルの若者や学生たちが、代わりにお年寄りの買い物を手伝うなどボランティアを始めたところもある。このように各地域で、助け合う活動が広まっている。

「ハムスター買い」はだめ!

ドイツでも買い占めはあり、口の中に食べ物を溜め込むハムスターにちなんで「ハムスター買い」と呼ばれる。他の商品はそうでもないが、トイレットペーパーと小麦粉はどこに行っても品薄だ。ハムスター買いはなぜだめなのか。哲学者のゲルト・スコーベルは、連帯と正反対の行動だからという。他人のことを考えずに、自分本意であること、それはエゴ以外の何ものでもない。そしてパニックを煽っているのは誰か。新型コロナウイルスに関して多くの対策が取られ、それにより報道が多くなり、情報が溢れると差別化のために報道の内容が次第にエスカレートしていく。意識的にしろ無意識的にしろ、それが相乗効果で起こり、いわゆるパニックにつながる。しかし考えてほしい。どうしてパニックにならなければならないのか。レストランや学校が閉まり、外出を控えるようにしているのは、感染のスピードを遅らせ、多くの人に医療が行き渡るようにするためである。社会の60〜70%の人が感染すれば、いずれは沈静化する。

大切なのは、「忍耐、周到さ、質、敬意」

 ドイツ国営放送ZDFの学術番組の中で、宇宙物理者のハーラルド・レッシュは「新型コロナウイルスは学術的事実。ウイルスは増殖するために、我々の細胞を使っているだけ。ウイルスが何をしているかわかっているし、我々も何をすればいいかわかっている」と述べた。このような危機的状態を利用しようという人が出てくるだろうが、今こそデマには耳をかさず、学術的事実から冷静に対処するのが大事なのだと訴える。「深刻な状況では、忍耐、周到さ、質、敬意が必要」と語った。

まさにレッシュの警告と反対のことをしようとしているのが、ハンガリーのオルバーン・ヴィクトル大統領だろう。新型コロナウイルスを理由に非常事態宣言をし、選挙の中止やメディア統制を目論んでいる。いつ新型コロナウイルス騒動が収まるかは大統領が決められるため、この法案が通れば実質独裁政治となる。最初の採決では議員の5分の4の賛成が必要だから否決されたが、近いうちに行われる2回目の採決では3分の2でよいため与党票だけで決議されるだろう。この事態を避けるため、市民や批評家たちはEUの介入を望んでいる。

新型コロナウイルスによる人生で一番長い休暇

いきなり世界がスローダウンしている 。子どもは学校に行かなくてよいし、パーティや集まり、イベントは全面的に禁止。 親にとっても、休み中は子どもと旅行に出かけなくてはというプレッシャーもない。うちでご飯を作って食べ、家族と過ごす。 家にいる時間が長く、時間に余裕がある生活が実現。片付けをしたり、隣人を助けたり、日頃手が回らなかったことをしている。これまでは休みというと催しに出かけたり、誰かと会う約束をしたりしていたが、ただ自分で自分を忙しくしていたのだと気付く 。

もちろん経済活動が滞り、企業だけでなく私のようなフリーランスにとっても死活問題である。近所でもカラオケ屋が経営危機を訴えたり、カフェやレストランはもちろん、パン屋などあらゆる小売店が売り上げ減で頭を抱えている。 学校だけでなく幼稚園や学童保育も閉まっているから、働く親は大いに困るし、遠方に住む家族や友人に会いにくいなど困難なこともある。もちろん感染すれば、深刻な健康被害につながるかもしれない。

けれど外出制限などの措置は一時的なものであり、ドイツでは復活祭開けの4月18日までとしている。むろん状況によっては長引く恐れがあり、先は見えない。 しかしいずれ新型コロナウイルスの波が去り、この出来事が過去のこととして語られるようになれば、この4~5週間の長い休暇は、実は人生の中でもっとも静かで穏やかな時期だったと思い返すことになるかもしれない。

Walking man lite

人生の中でもっとも静かで穏やかな時期だったと思い返す日が来ることを ©Riho Taguchi

 

 

Tags: Covid-19FEATUREDコロナドイツ欧州
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田口理穂 / TAGUCHI, Riho

田口理穂 / TAGUCHI, Riho

ジャーナリスト、裁判所認定ドイツ語通訳・翻訳士。日本で新聞記者を経て、1996年よりドイツ・ハノーファー在住。ライプニッツ・ハノーファー大学卒業、社会学修士。ドイツの環境政策や経済、社会情勢など幅広く執筆。視察やテレビ番組のコーディネートも。著書に「市民がつくった電力会社 ドイツ・シェーナウの草の根エネルギー革命」(大月書店)「なぜドイツではエネルギーシフトが進むのか」(学芸出版社)、共著に「『お手本の国』のウソ」「ニッポンの評判」(ともに新潮新書)、「コロナ対策 各国リーダーの通信簿」(共著・2021年1月・光文社新書)がある。

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