ジョルジュ・ド・ラ・トゥールという画家をご存知だろうか。
私はもう長らくジョルジュ・ド・ラ・トゥールのおっかけをやっている。そもそもはエールフランスの機内誌で読んで、なんて面白いんだろうと思ったのが始まり。
17世紀のフランスの画家で、国王ルイ13世付きでもあったのに、300年もの間、その存在が忘れられていたが、20世紀初頭になって「再発見」された。世界全体で真筆(しんぴつ)の作品は少なく20数点しかないらしい。
私は欧州在住の地の利を生かしてかなりの数を踏破した。そして、次に見に行こうと思っていたのが、ウクライナのリヴィウ美術館所蔵のこの一点「撒き散らされた金」
はらはらしながら戦況を見守っているうちに、今日3月14日、ついにロシア軍の攻撃がリヴィウ郊外にまで及んだとのニュースを聞いた。美術館では、人類全体の宝である収蔵作品の避難があわただしく行なわれているだろうか。
リヴィウはウクライナ西部、ポーランド国境からも近い都市。バロック様式の教会や石畳の歩道が並び、リヴィウの歴史地区群は1998年に世界遺産に登録されている。
古都リヴィウの旧市街、京都やベニスのように街全体が芸術作品のようだと言われる
By Lestat (Jan Mehlich) – Own work, CC BY-SA 3.0
第二次大戦末期、爆撃被害で崩れ落ちたドレスデンの聖母教会も、アフガニスタンでタリバンが破壊したバーミヤンの大仏も。歴史や人類の宝を破壊する愚かで思い上がった行為に深い憤りを覚える。このこと一つを取ってみても、戦争を起こす者が、どれほど人類に対しての大きな罪を犯していることかと思う。
Credit & Copyright
left top: Detail of Interior of Church of the Configuration, Lviv, by Adam Jones from Kelowna, BC, Canada, CC BY-SA 2.0, left middle: Ivan Franko Park by Romankravchuk – Own work, CC BY-SA 3.0, left bottom: 139th Cavalcade de Fleurus 2019, Fanfare de Lviv, By Havang(nl) – Own work, CC0, top middle: The Payment of Dues, by Georges de La Tour, public domain, bottom middle: Natural heritage site, ID;46-101-5001 By Богдан Репетило – Own work, CC BY-SA 3.0, top right: Lviv station by Haidamac, CC BY-SA 4.0, bottom right: St Boris and Gleb chrch at park Bandarivka, Lviv, By Russianname – Own work, CC BY 2.5