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戦禍のがん患者を忘れない

片瀬ケイ / KATASE, Kei by 片瀬ケイ / KATASE, Kei
11か月 ago
in その他, 社会・文化
戦禍のがん患者を忘れない

全米がん情報ネットワーク(NCCN)が作成したウクライナ語の患者向け各種がん治療ガイドブック ©NCCN

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欧米のがん団体、ウクライナのがん患者を支援

2022年2月24日のロシア軍による侵攻が始まってから、ウクライナ国外に避難した人は500万人を超えた(4月中旬現在)。戦争で住みなれた地域を離れ、先の見えない生活に追いやられるのは、さぞ不安が大きいことだろう。それががん患者であれば、なおさらだ。

医学誌ランセット・オンコロジーによれば、ウクライナはがん発症件数が多く2020年だけでも新たにがんの診断を受けたのは16万人以上にのぼる。先進国においては小児がんは適切な治療を行うことで大部分の患者が治癒するが、ウクライナでは世界でも小児がんによる死亡率が高い。戦争開始前に少なくとも1500人以上の子供ががんの治療中だったが、3月半ばの段階ですでに多くの医療機関が攻撃を受けており、がん治療の継続どころか爆撃による怪我の手当さえ困難な地域が増えている。

ウクライナ国内ではロシア軍からの激しい攻撃にさらされている東部から、これまでは比較的安全だった西部への避難が続いているが、そこでも医療スタッフ、医薬品不足で十分な対応は難しい。無事に国外に避難できても、見知らぬ土地でまずどうしたらよいか、途方に暮れる人も多いだろう。

米国臨床腫瘍学会(ASCO)は、「命を救うがん医療の中断は、戦争による無益な苦しみにさらなる痛みをもたらすもの。世界のがん関連団体と協力して、ウクライナ国内外のがん患者、がん医療を支援する」との声明を発表。欧州の多数のがん学会や患者団体からなる欧州がん機関(ECO)とともには、ウクライナ対応運営委員会を設置し、ウクライナのがん患者と医療者、近隣受入国医療機関への支援ネットワークを立ち上げている。

すでに約270万人ウクライナ難民を受け入れているポーランドのグダインスク医科大学のヤセック・ヤセム医師によれば、機能している数少ないウクライナ国内の医療機関も医療品不足でがん治療が中断されている状況もあることから、①深刻な医薬品不足にあえぐウクライナの医療機関への支援、②国内で治療できないがん患者の他国への移送、③ウクライナから避難したがん患者が受け入れ国で適切な医療サービスを受けるための情報提供――などが緊急課題だと、3月18日に実施したASCO‐ECOによる公開ウェビナーで報告した。

一方、ウクライナとの国境近くにあるルーマニア最大のがんセンターに勤務するニコレッタ・アントン医師は、「ウクライナからの難民は女性が多いので、今のところは乳がん治療が必要な患者が多い。ロシア語を話す医師が6人おり、ウクライナ難民の患者専用ヘルプラインなども設置している。90日は無償で治療を提供している」と報告した。

役立つ情報を必要とされる言語で

ECOでは、ウクライナから欧州各国に避難してくるがん患者向けに特設ウェブページを設け、受入国別に各国におけるがん医療情報、支援団体連絡先などの必要な情報をウクライナ語やロシア語など多言語で案内している。

ONCO-HELP 欧州がん機関(ECO)のウクライナの患者向け情報ページ(ASCO-ECOウェビナーより)

ASCOもウクライナのがん患者、医療者向けの情報をまとめた特設ウェブページを設置。さらにアメリカがん協会(ACS)による協力で、患者およびケアギバー向けの情報をウクライナ語、ロシア語、ポーランド語でウェブサイトからダウンロードできるようにしたほか、ウクライナおよび近隣諸国から直接アクセスできる電話、チャット、Eメールによるがん関連の24時間ヘルプラインを設けた。こうした問い合わせには、ボランティアの医療従事者が対応している。ボランティア医療従事者、支援情報、ウクライナ緊急支援向け寄付も随時受け付けている。

さまざまなウクライナのがん患者支援活動への参加を呼びかけている(ASCO-ECOウェビナーより)

さらに全米を代表するがんセンターが結成したがん治療ガイドライン策定組織のNCCNも、乳がん、子宮頸がん、大腸がん、ストレス管理、肺がん、前立腺がんなどについてウクライナ語に翻訳した患者とケアギバー向けの治療ブックレットを提供しはじめた。ここから無料でダウンロードできる。

前述の公開ウェビナー報告で、WHOの緊急委員会のメンバーでもある英国キングズ・カレッジのリチャード・サリバン医師は、「今はまだ受入国のがんセンターに余裕はあるが、これからがん治療が必要な難民の数は大きく増えていく。たとえ明日ウクライナの戦争が終わっても、同国内のがん治療体制の再建には1年半といった長い時間がかかる」と説明。その上で「国連難民高等弁務官事務所にとって、がん医療はトップ・プライオリティーというわけじゃない。我々が支援に動く必要がある。長期的なコミットメントとして難民全体のがん医療について費用面を含めて考える必要がある。またEU加盟ではなく、以前から医療資源が乏しいモルドバへの難民にどう対応するかという問題もある」と問題提起していた。

Tags: がんウクライナ戦争
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片瀬ケイ / KATASE, Kei

片瀬ケイ / KATASE, Kei

フリーランス・ライター、翻訳者。東京生まれ。神奈川大学スペイン語学科卒。東京都の行政専門紙の記者を8年勤めた後、1995年に渡米しカンザス大学でジャーナリズム修士号取得。カンザスシティ・パブリックTVを経て、在米の米系、日系企業に勤務。現在は米国人のミュージシャン兼業主夫とともに、テキサス州ダラス市に在住。米国の社会、経済事情等について様々なメディアに幅広く執筆。Yahoo!JAPANニュースのオーサーでもある。2021年1月に「コロナ対策 各国リーダーの通信簿」(共著・光文社新書)を出版。

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