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Home 文化

在独ライターの探訪記: 欧州文化首都レーワルデンを訪ねて

田口理穂 / TAGUCHI, Riho by 田口理穂 / TAGUCHI, Riho
6年 ago
in 文化
在独ライターの探訪記: 欧州文化首都レーワルデンを訪ねて
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10月半ば、隣国オランダのレーワルデンに出かけた。2018年の欧州文化首都としての紹介記事を書き、興味を持っていたからだ。開催中のエッシャー展がどうしても見たくなった。レーワルデンは人口12万人で、大学が3つあるため2万人は学生である。北海そばに位置し、版画家エッシャー、またダンサーでありスパイ容疑で処刑されたマタ・ハリの生地である。
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なんといってもエッシャー、生誕120周年

金曜日昼過ぎに到着し、この旅の第一目的であるエッシャー展を見ようとフリースミュージアムに出かけた。版画家のマウリッツ・コルネリス・エッシャー(1898〜1972)は、いつまでも流れ続ける「滝」をはじめ、幾何学模様が虫や鳥に変化するなど絵など独自の世界を展開した。 今回の欧州文化首都の目玉となる展示であり、半年にわたる会期が10月末で終わりなので最後のチャンスと出かけたのだ。

エッシャー展への入口 ©TAGUCHI, Riho
エッシャー展への入口 ©TAGUCHI, Riho

そうしたら当日も翌日もその翌日もいっぱいで、当日券はないという。1時間ごとに入れる人数を決めており、事前にインターネットで予約しなければならなかったのだ。そんなこととはつゆとも知らず、手ぶらででかけた私はがーんとショックを受けた。はるばるドイツから5時間かけて来たのに。入口には同じように入れず、文句を言っている人たちが幾人もいる。

けれど、幸い私にはドイツのプレス証があった。欧州文化首都についてはすでに事を書いたし、今後も書く予定だというとあっさり入れてくれた。このフレキシブルさがありがたい。

入ってみると確かに混んでいたが、ぎゅーぎゅーでろくに絵が見れないというほどではない。自分のペースでゆっくり鑑賞できた。エッシャーは、だまし絵のような独特の絵で有名だが、実はそれ以前から風景を題材とした優れた版画をたくさん残している。作品は白黒で、輪郭がはっきりしており、あるべきものがあるべきところに収められている気がする。だから見ていてすっきりするし、どの絵も自宅に飾りたくなる。エッシャーが物事をいかに自分の中で消化し、緻密に表現しているか、驚くばかりだった。

街全体が欧州文化首都として生き生きしている感じ

翌日、市街地の運河を通る遊覧船に乗ろうと思ったら、これもすでに前売りが完売。1時間の遊覧で5ユーロという良心的な値段なのだが、これは市民有志がボランティアで運営しているから。儲かるから増やそうというわけではなく、本数が限られている。乗れないのは残念だったけど、こういう形で市民が観光客に対応しているのは好感が持てた。

お昼は近くの魚レストランで白身魚を小さく切ったフライや、小エビサンドを食べた。歩きながら魚の酢漬けをつまんで口に放り込んでいる人、魚サンドを食べている人など、魚料理が身近にある。小腹がすくと、日本では立ち食いソバ、ドイツではソーセージパン、オランダでは魚フライになるらしい。

欧州文化首都のシンボルのひとつ、駅前にある噴水 ©TAGUCHI, Riho
欧州文化首都のシンボルのひとつ、駅前にある噴水 ©TAGUCHI, Riho

夕方、ドイツ語のフリーツアーに参加した。歩きながら名所を巡る観光案内だが、料金は決まっておらず、終わってから各自が思い思いの額をガイドに支払うというもの。ガイドはイタリアのドイツ語圏に生まれたイタリア人で、2年前からオランダに住んでいる。レンブラントが結婚翌日に描いたレーワルデン出身の妻サスキアの肖像画が描かれている建物や、レーワルデンの紋章のライオンのしっぽの向きが違う話、言語をテーマとした半球形のカフェには耳の聞こえない人たちが働いていることなど、普通の観光ではなかなか知りえないことを教えてくれた。

街には運河が通っていて、橋は船が通るたびに遮断器のように持ち上がって船を通す跳ね橋もあった。公園の裏にも運河があり、個人所有と思われるしゃれた船がいくつも停泊している。運河沿いに家を構え、船を持つのが最高のステータスなのだろう。船の上でシャンパングラスを傾けている姿は輝いて見え、誰でもうらやましくなる(実際にやってみると、それほどではないだろうと思いつつも)。街はレンガ造りの建物が並び、紅葉した街路樹に彩られ、なんともいえず美しかった。運河沿いに柵はなく、人々はつらつらと散歩し、随所にかけられた石橋の下は夜青くライトアップされていた。自転車でさっそうと走る人も多く、人々は生活することを楽しんでいるように見えた。

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弱点や欠点は、個性なのだ

しかしガイドによると、「レーワルデンは社会的弱者が多く、自虐的な評価ばかりのネガティブな街」なのだという。市は2008年に欧州文化首都に応募すると決めたが、2011年には、やっぱり無理だと匙を投げた。けれど若者グループが奮起して草案を書き、最終的にはオランダのマーストリヒトなど著名都市を押しのけて欧州文化首都に選ばれた。奇跡に近い。けれど、ネガティブであるという奇異な出発点がよかったのかもしれない。

街自体は優美だし、よく見ると全然悪くないのだ。さらに欧州文化首都になったことで、芸術や教育などさまざまな催しが企画され、地元の人を巻き込み、観光客を呼び込んだ。人々は自分の街を再発見し、さまざまな魅力を生み出した。通りの壁に描くストリートアートは、以前は落書きを市が消して回るという構図だったが、今は、市が描いてもよい場所を指定し、のびのびした絵が話題となっている。「宮本武蔵」もあり、びっくりした。これも欧州文化首都となったことで新たな可能性に目が開いた例のひとつだろう。

ストリートアート「宮本武蔵」©TAGUCHI, Riho
ストリートアート「宮本武蔵」©TAGUCHI, Riho
レンブラントの絵の壁画 © RENZ, Franz
レンブラントの絵の壁画 © RENZ, Franz

また芸術作品が点々と飾られている通りに、絵や彫像に交じって、折り鶴をモチーフとしたオブジェには「Peace」と記されていた。ストリートアートのまとめ役のオランダ人の作品で、彼は日本に住んでいるのだという。こういう形で、日本とのつながりがあるとは驚いた。

最終日のランチは、カフェ「ブラウニーズ&ダウニーズ」で食べた。ブラウニーが名物で、かつ20人以上のダウン症の人が働いていることからこの名がついた。ハンバーガーとマスタードスープを頼むと、パンはふわふわしていて、新鮮な素材で丁寧に作られた料理はびっくりするほどおいしかった。注文を取りに来たダウン症の若者もしっかりしていた。途中から店員のひとりがピアノを弾き始めた。穏やかな太陽の光を受け、はらはらと葉っぱが落ちてくるのを見ていると、なんともいえない幸福感が体中に満ちてきた。こういう時間をいくら持てるかで、人生の価値は決まるのではないか(ちょっと大げさ)。最後によい出会いがあったと大満足し、帰途に着いた

運河と跳ね橋のあるレーワルデンの街並み © RENZ, Franz
運河と跳ね橋のあるレーワルデンの街並み © RENZ, Franz

 

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Tags: オランダ旅行記
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田口理穂 / TAGUCHI, Riho

田口理穂 / TAGUCHI, Riho

ジャーナリスト、裁判所認定ドイツ語通訳・翻訳士。日本で新聞記者を経て、1996年よりドイツ・ハノーファー在住。ライプニッツ・ハノーファー大学卒業、社会学修士。ドイツの環境政策や経済、社会情勢など幅広く執筆。視察やテレビ番組のコーディネートも。著書に「市民がつくった電力会社 ドイツ・シェーナウの草の根エネルギー革命」(大月書店)「なぜドイツではエネルギーシフトが進むのか」(学芸出版社)、共著に「『お手本の国』のウソ」「ニッポンの評判」(ともに新潮新書)、「コロナ対策 各国リーダーの通信簿」(共著・2021年1月・光文社新書)がある。

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