10月7日以来、イスラエルとハマスの戦闘では、近年の歴史上初めてともいえるメディア関係の犠牲者が出ている。
国際ジャーナリスト連盟(International Federation of Journalists=IFJ、本部ブリュッセル)の調査によると2023年12月4日現在、ガザ地区における戦闘でジャーナリストとメディア関係者が合計67人--パレスチナ人が60人、イスラエル人が4人、レバノン人3人--が犠牲になっている。
IFJは11月21日から3日間、ベランジェ事務局長をリーダーとする使節団を、ヨルダン川西岸地区のパレスチナ自治区に派遣し、現地で加盟団体であるパレスチナ・ジャーナリスト連盟(PJS)のバケル会長に会い、テレビ局や新聞社のジャーナリスト、特にガザ地区で報道を続けるジャーナリストへの支援を表明するとともに、激励した。
さらにIFJとPJSの代表団は、ラマラのユネスコ事務所を訪れ、ジャーナリストの安全保護を徹底するよう申し入れた。
IFJは、現地に取材者を派遣している全ての報道機関に、プロ仕様の安全装置を準備するなど犠牲者を一人でも少なくする予防策を講じるよう要請した。
PJSのベイカー会長は「私たちは、ガザ地区の仲間を全力で支援しなければならない。彼らの多くは、家を破壊され、家族を失った。彼らはガザ地区の人々が夜も昼も攻撃され、耐え忍んでいる残虐行為を報道し続けるために、IFJの仲間の連帯と支援を必要としている」と訴えた。
同じくPJSのシュルク・アサド氏は「これ以上、一人のジャーナリストも失いたくはない。保護してほしい。とても心配している」とあふれる思いを吐露した。
また、パレスチナ人ジャーナリストのサミ・アブ・サレム氏は「ガザで活動しているジャーナリストやメディア関係者に安全な場所はない。インターネットも使えず、電気も移動手段もない中では、多くの情報を発信することはなかなかできない」と話した。
12月2日に、国際刑事裁判所の主任検察官がバケルPJS会長から事情聴取を行なった。
多くの民草を犠牲にする、いかなる戦争にも正義はない。
たとえ自衛戦争であってでも。ガザ地区の現状を見るとき、国際社会は、イスラエル、ハマスの責任者の国際人道法違反を問うことになろう。
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