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欧州:オリンピックより「感染を遅らせる」長期戦にはクロロキン? 世界コロナ日誌

佐々木田鶴 /SASAKI, Taz by 佐々木田鶴 /SASAKI, Taz
3年 ago
in 世界コロナ日誌
欧州:オリンピックより「感染を遅らせる」長期戦にはクロロキン? 世界コロナ日誌

古き抗マラリア薬クロロキンは救世主なるか

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筆者が共同47ニュースに、欧州コロナ対策事情について投稿してから週末を越え、欧州事情はその間にも猛スピードで進展。昨日から、フランス語メディアは、同記事の最後に書いた古い抗マラリア薬「クロロキン」(薬剤名:ヒドロキシクロロキン)の話でもちきりで、一両日中に、感染者全員にこの薬が配られるのではないかとも予測されている。ここ数日の展開と雑感を補足してみたい。

<トップ写真:仏Sanofi社が猛スピードで製造を再開したクロロキン(商品名は、Plaquenil)© Taz>

クロロキンは救世主となるか

昨日あたりから、仏語圏は、「クロロキン」という薬が救世主となるかとの期待で大騒ぎだ。この薬は、1930年代に開発された古い抗マラリア薬。その後、マラリア原虫がこの薬に耐性を持ち始めたため、次々と新しい薬剤が開発されて、お蔵入りしていたものだ。この薬が、新型コロナウィルス感染による症状緩和に効果を示すらしいとベルギーで報道されたのは、2月19日のベルギー・ルーヴァン大学による報告からだった。

この薬は、ウィールスそのものに作用して根治させるというものではないらしい。身体の過剰反応(特に高齢者や基礎疾患を持つ人で顕著)を抑えることで、呼吸障害を抑制する作用をもたらす。つまり、自然にまかせれば発生する50%以上といわれる感染者が服用すれば、重篤化を避けられる可能性が高く、感染隔離体制や人工呼吸器の限界を越えないようにコントロールすることができると見込まれるのだ。

「医療崩壊」ではなく「医療飽和」

筆者は、そもそも「水際対策」「封じ込め」「医療崩壊」などの言葉に違和感があった。

相手は目に見えないウィールスだ。国境で国別に人を締め出してみても、数千万単位の住民を厳しく監禁してみても、簡単に封じ込めたりできないはずだ。そもそも、新型コロナウィールス感染による致死率は、1%程度と、SARSやMARS、他のインフルエンザのウィールスに比べても高くないというのに。

医療が突然「崩壊」するわけもないから、この言葉も腑に落ちなかった。「崩壊」という言葉に、「医療従事者による現場放棄」のようなニュアンスを感じるのは筆者だけだろうか。調べてみると、確かに「医療崩壊」という言葉は、歴史的・学問的にはこのような意味合いで使われてきたようだ。言葉から受ける印象とは裏腹に、イタリア医療は日本やアメリカとは違って、完全に無償化されていて、極めて民主的・人間的なのだと、現地の友人はいう。だとすると、武漢や北イタリアで起こったことは、「医療崩壊」などではなくて、重篤患者の爆発的激増による「医療飽和」の方がしっくりくる。つまり、目指すべきは、「集中治療室キャパシティを飽和させないこと」のはずだ。人工呼吸器設備のある集中治療室が何床あって、何床までなら持ちこたえうるのかという現実こそ、伝えられるべき情報ではないか。Emergenza coronavirus, Civil Protection Department of Italy

「医療崩壊」と伝えられるが、現場も組織も「放棄」しているわけではない。「疲弊」してはいるが市民の連帯がある。©イタリア市民保護庁

政策目的は感染を「遅らせる」こと

独メルケル首相や英ジョンソン首相が口走ってしまったように、遅かれ早かれ、人口の50%~70%は感染するらしい。だとすれば、政策の目的は、「誰も感染させない」ではなく、「集団として感染を遅らせる」こと。少しでも遅らせれば、廉価で簡素な検査方法が普及し、クロロキンのような症状緩和薬がどんどん登場して、1年後からは有効なワクチンが普及するはずだ。その間に、医療体制や医療防護のための物資を着実に拡充し、新型コロナウィールスに対処する医薬品の研究開発ギアを最高レベルまであげる。今、すべきは、そのタイムレースなのだということを、もっとはっきりわかる言葉で伝えた方がよいように思う。

オリンピックどころじゃない、ブレギジットどころじゃない

欧州では、ブレギジットの主席交渉官たちが次々と感染していたことを公表。

独メルケル首相も検査中で自宅待機と報道されている。著名人の感染や死亡は、実際はどこの社会でも発生しているはずなのに、日本ではまったく伝えられないのはなぜだろう。

イタリアやフランスでは、物々しい防護装備に身を包んだ医療従事者が、医療最前線で懸命に踏ん張っている様子が連日報道され、確かに恐怖心を煽りはするが、その必死さに心を打たれ、市民社会に感謝の気持ちも高まり、連帯の輪が広まっている。だれからともなく、毎晩8時、都市のアパートの窓をあけ、彼らに対する謝意を表し連帯を強めようとする動きが広まり、家々の窓からそっと国旗が掲揚されたりしている。日本では、地方行政が感染者を何名出したと表情なく記者会見する映像は見かけるが、医療前線の生々しい現状や連帯する人々の様子を伝える報道を見た記憶がない。なぜなのだろう。

100カ国以上の毎日の感染状況が、誰でも見られるネット情報で公表されている今日。日本だけ、人口比で感染者数が極端に少ないのはなぜだろう。一方、日本では、感染者に占める死者の割合が著しく高い謎も、大手メディアは掘り下げない。

一人でも多くの命を尊重しようと、徹底的にやろうとしている国と、経済とのバランスを考えて無理のない範囲でやろうとしている国と…。

世界は今年、オリンピックの代わりに、勝ち負けがはっきりわからない長期戦に入ったように、筆者には見える。

 

 

 

 

 

Tags: EUFEATUREDイギリスコロナドイツフランスベルギー欧州
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佐々木田鶴 /SASAKI, Taz

ブリュッセルをベースとするライター・ジャーナリスト。社会正義、人権、エ ネルギー問題、市民のために生きやすい社会設計などに注目しながら、ハフィ ントンポスト、共同通信47ニュースなどに執筆中。

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