新型コロナウイルスの感染拡大が一段落している中国では、海外ショッピング旅行に気軽に出かけられない状況がもう1年以上続いている。国外から入国する人には、国籍に関係なく14~28日間の集中隔離を義務付けているためだ。コロナ禍が収まっている今、中国人は海外に行きたいし、お金を使いたくてたまらないのが実情だ。
首都北京では毎日のように、高級ブランド品を買うための行列ができ、外資系5つ星ホテルのバーやレストランは満席。高級和食店や日本人の経営する美容室へと押し寄せる、若い世代を中心とした中間層以上の中国人の姿を多く見かけるようになった。割高であろうとも、海外旅行の追体験をしたい人たちの渇望は、意外な形で国内消費を押し上げている。
カクテル1杯150人民元(約2500円)でも連日満席のホテルのバー ©kungfuPanda
なかでも「隔離政策が緩和されたら、真っ先に日本に駆け付けたい!」と熱く語る人たちが多く、インバウンド客の不在であえぐ日本経済には朗報だ。
<トップ写真>北京のショッピングモール。高級ブランド入店待ち行列はほぼ毎日の光景 ©kungfuPanda