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ベトナムのリゾート地フーコック島に、戦争の負の遺産

田口理穂 / TAGUCHI, Riho by 田口理穂 / TAGUCHI, Riho
5か月 ago
in これ知ってる?, その他
ベトナムのリゾート地フーコック島に、戦争の負の遺産

典型的な南国リゾート地に、戦争の痕跡

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ベトナムを旅した。南に位置する高級リゾート地のフーコック島は国内外からの観光客でにぎわうが、そこに南北戦争の痕跡を見つけた。ココナッツ・プリズンと呼ばれる元収容所である。

ココナッツ・プリズンと呼ばれた収容所の入り口には、鉄条網が何重にも張り巡らされている。

かつての南ベトナムに位置するこの収容所には、南北戦争で捕まった北ベトナム人が収容され、最大1万人がいたという。当時は敷地内にココナッツ並木があったことからそう名付けられたが、現在は残っていない。巨大な収容所の大半は現在ベトナム軍の駐屯地となっているが、 一部を使って元収容所の当時の様子が再現されている。

この収容所の特徴は、拷問の様子をこれでもかというほど詳細に再現していることだろう。その残酷さ、そして多彩さにぞっとする。人間を苦しめるためにこれだけのバリエーションがあり、想像力があるのだ。

火、水、鞭、金具、釘などを使ったさまざまな拷問方法を見せる実物大の模型。
誰からも丸見えのトイレ。汚物処理は収容者の役割。

例えば、有刺鉄線で作られた平らな箱状の入れ物に1~2人を閉じ込め、日向に放置しておく。立つこともできず体勢を変えることもままならない中、暑い太陽でじりじりとあぶられことになる。またコンテナーに大人数を閉じ込め、外からガンガンとコンテナーと叩くという拷問方法もあった。

ベトナム人ガイドによると「コンテナーの中の人たちは耳がやられるが、まだラッキーだった。自分の汗を服から絞って飲むことができたから死ぬことはなかった。けれど日向に置かれた人は、水も与えられず日焼けと熱中症で死んだ」と話した。

有刺鉄線で作られた箱型のケージは直射日光から隠れる場所もない
コンテナの中で騒音攻めにあわされる拷問も

敷地内には等間隔に小屋が建っており、ここに80人が押し込まれていたのだと想像しようとするがうまくできない。強い日差し、壁さえろくにないトイレ、激しい拷問。そんなことがあったのだ。

ひとつの小屋に約80人が収容されていた
真ん中が通路で、両側の影板が寝床

足を窓側、頭を通路側に寝ることが決まっていた。通路側の方が心持ち低くなっていて、横たわると自然に脳みそに血がのぼる。すると起き上がるとき、くらくらして動きが鈍くなるそうだ。

他の収容所では、スプーンで半年かけて地下道を100メートル掘って脱出した例があり、その様子も再現していた。地下への階段を降りると、細い横穴があり、そこを這うようにして脱走した。逃げるときに穴で肘や肩が擦れたのだろう。傷だらけで出血している実物大の人物模型がリアルである。結局22人が脱出に成功したが、26人は穴を抜けた先で待ち受けていた南側の見張りに見つかりそのまま埋められたという。

スプーンで地下道を掘り続ける半年
傷だらけで脱出しても捕らえられた者も多かった

この国には、国民同士、同胞同士で殺しあった過去がある。その負の歴史が風化しないよう目に、見える形で残し、国内外からの観光客相手のツアーにも組み込まれている。人と人が憎み合う醜さと悲惨さが真に迫る。

同じ民族や同じ地を分け合って共存してきた人々が武器を取って殺しあう戦闘は、今まさに、ウクライナでも、ガザでも続いている。過去の過ちを繰り返さないためにはどうすればいいのか。忘れないこと、目をそむけないこと。 きちんと残すこと。それを何かにつなげたい。

Tags: ドイツフーコックベトナム戦争拷問
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田口理穂 / TAGUCHI, Riho

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ジャーナリスト、裁判所認定ドイツ語通訳・翻訳士。日本で新聞記者を経て、1996年よりドイツ・ハノーファー在住。ライプニッツ・ハノーファー大学卒業、社会学修士。ドイツの環境政策や経済、社会情勢など幅広く執筆。視察やテレビ番組のコーディネートも。著書に「市民がつくった電力会社 ドイツ・シェーナウの草の根エネルギー革命」(大月書店)「なぜドイツではエネルギーシフトが進むのか」(学芸出版社)、共著に「『お手本の国』のウソ」「ニッポンの評判」(ともに新潮新書)、「コロナ対策 各国リーダーの通信簿」(共著・2021年1月・光文社新書)がある。

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